第321回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 九州大学大学院医学研究院 基礎医学部門 病態制御学講座 形態機能病理学 小田 義直
- 九州大学大学院医学研究院 基礎医学部門 病態制御学講座 病理病態学 古賀 孝臣
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
今回は、PCによるプレゼンテーションのみとします。スライド内容、発表ともに英語でお願いします。PowerPoint (Windows)にて準備下さい。発表データーは演題番号、演者、作成したOSとPowerPointのバージョンを明記の上、CD-RまたはUSBメモリーにて郵送下さい。また、ファイルのアップロードによる方法があります。詳しくは、パソコンによるプレゼンテーション説明ページを御覧ください。
担当:田宮貞史
宛先:九州大学大学院医学研究院 形態機能病理
E-mail:tamiya@med.kyushu-u.ac.jp
プレゼンテーション受付締切:平成23年5月12日(木)17時00分
診断投票宛先
投票用紙の受付をFAX及び電子メールで受付ています。但し、当日の受付は致しません。
九州大学大学院医学研究院形態機能病理
担当:山元英崇
Fax:092-642-5968
E-mail:hidetaka@surgpath.med.kyushu-u.ac.jp
受付締め切り:平成23年5月11日(水)17時00分
お知らせ
お知らせ
空路
福岡空港→(地下鉄空港線)→「中洲川端駅」、貝塚方面へ乗換→(地下鉄箱崎線)→「馬出九大病院前駅」
JR
・「JR博多駅」→(地下鉄空港線)→「中洲川端駅」、貝塚方面へ乗換→(地下鉄箱崎線)→「馬出九大病院前駅」
・「JR博多駅」→「JR吉塚駅」で下車
西鉄
「西鉄福岡駅」 →(地下鉄)→「馬出九大病院前駅」で下車
高速バス
天神バスセンター下車→(地下鉄)→「馬出九大病院前駅」で下車
地図
地図1
九大病院キャンパス
地図2
九大病院地区 百年講堂
- 321-01口唇部腫瘍60歳 女性和田 裕子/九州大学 口腔病理学
2006年に下唇左側の腫瘤を自覚し、症状がなかったため放置していたが、その後増大傾向を認めたため、2010年3月に九州大学病院顎口腔外科を受診した。腫瘤は、粘膜直下にあり、直径10mm程度の類球形で、弾性硬・可動性を呈していた。粘膜表面には潰瘍等の所見はなかった。知覚異常は認められなかった。超音波検査で、腫瘤は不均一な高エコーを呈し、後方エコーの増強も見られた。MRIで、腫瘤は境界明瞭でT1・T2ともに高信号であった。摘出された腫瘤の割面は、黄白色・充実性の軟組織の中に一部骨様硬組織を認めた。配布標本は、下唇粘膜下の腫瘤の割面である。
- 321-02左鼻腔腫瘍33歳 女性本田由美/熊本大学医学部附属病院 病理部
5ヶ月前にめまいで前医を受診した際、左鼻腔の腫瘤を指摘されたが放置していた。その後、鼻閉や頭痛も出現してきたため再度受診した。CTで左鼻腔を充満する5.8×3.5×4.7cmの腫瘤を認め、上顎洞や篩骨洞にも浸潤していた。生検にて悪性腫瘍を疑われて本院に紹介受診となり、腫瘍摘出術が施行された。配付標本は切除された腫瘍の最大割面です。
- 321-03肝結節37歳 女性伊東正博/長崎医療センター病理
転倒による肝破裂を契機に肝右葉に多血性結節を指摘。入院中に左副腎腫瘍によるCushing症候群も指摘され、肝右葉切除術と左副腎腫瘍摘出術を施行された。肝病変は術中超音波でisoechoicで同定困難であった。肝には被包化された血腫に接して被膜形成のない2cm大と3cm大の淡褐色結節が存在していた。左副腎腫瘍はmixed cell typeのcortical adenomaであった。ピル長期服用歴あり。配布標本は血腫被膜に接する病変部分。
- 321-04膵腫瘍40歳 男性田邉 寛/福岡大学筑紫病院 病理部
約半年前より背部痛を自覚、その後心窩部痛も出現したため当院消化器内科にて精査を受けた。腹部エコーおよび腹部CTにて、膵体部に腫瘤を指摘され摘出術を受けた。摘出された腫瘍は、大きさ約50×40mm、白色調充実性で一部に出血を伴っていた。配布した標本は腫瘍の一部である。
- 321-05膵腫瘍79歳 女性甲斐 敬太/佐賀大学病因病態科学 診断病理学分野
関節痛で近医を受診し、CTで膵に8cm大の嚢胞性病変を指摘され、当院紹介となった。画像による精査の結果、病変は嚢胞部と充実部からなり、副腎および胃に直接浸潤し、胃内腔に穿通していることが判明した。また、脾静脈に浸潤し、門脈内にまで腫瘍栓を形成していた。膵原発の悪性腫瘍の臨床診断で、胃全摘および脾臓、左副腎、膵体尾部合併切除、門脈腫瘍塞栓摘出、左横隔膜部分切除が施行された。配布標本は腫瘍の一部です。
- 321-06Tumor of the greater omentum41 男性進藤幸治/九州大学 形態機能病理学
The patient had no complaint, before a huge mass in the abdominal cavity was pointed out by health check-up. The CT revealed the 20cm-sized mass in the abdominal cavity. The tumor was composed mainly of cystic lesion, accompanied by a solid component at the rim. The surgical resection was performed. The tumor was located in the omentum.
- 321-07左横隔膜腫瘍64歳 男性矢田直美/大分大学診断病理学講座
検診時の胸部X線検査で両肺野に多発性結節影を指摘された。胸部CTでは、両肺野の多発性結節に加え、左横隔膜に腫瘍を認めたため、精査・加療目的で入院となった。肺腫瘍に対しVATS肺切除術が施行され、肝細胞癌の肺転移と診断された。その後、横隔膜腫瘍(左三角靱帯)の腹腔鏡下生検術が行われた。画像上および腹腔鏡下生検術時,横隔膜腫瘍と肝臓との連続は見られなかった。
なお、術前検査でHBs抗原、HCV抗体は陰性、AFP 59,131 ng/mlで、VATS後に測定したPIVKA?は1,215 mAU/mlと上昇していた。配布標本は左三角靱帯より採取されたものです。
- 321-08滑膜組織67歳 女性川村栄一/福岡大学病理学
49歳時に関節リウマチを発症し、現在もメソトレキセート、アダリムマブにて継続加療中。他院にて4年前に右人工膝関節置換術、2年前にオスミウム酸による化学的左膝滑膜切除術を施行された。2010年11月頃より左膝の疼痛が増悪したため、当院にて左人工膝関節置換術を施行した。摘出された滑膜、大腿骨の一部には黒色変化が見られ、臨床的にはオクロノーシス、メタローシスが疑われた。配布標本は手術時に提出された滑膜の一部である。
- 321-09心臓腫瘍5歳 女性島尾 義也/県立宮崎 病理診断科
4年前に左外陰部腫瘍に対し手術を行った際、心電図異常がきっかけで左心室心尖部の腫瘍が発見された。無症状で増大傾向も認められないことから経過観察をしていた。その後、増大傾向もみられなかったが、左心室を圧迫している所見が認められることから手術が行われた。標本は腫瘍の一部である。
- 321-10脳腫瘍58歳 女性成毛有紀/長崎医療センター 病理
15年前に乳癌の既往があるが詳細は不明。2週間前より物忘れ、食思不振が急激に進行したため来院した。頭部MRIにて左前頭葉皮質から皮質下に嚢胞成分と充実成分が混在する6cm大の占拠性病変を指摘され、尾状核、脳梁を介して右前頭葉にもT2高信号域がみられた。腫瘍摘出術が施行され、術中迅速診断では転移性腫瘍(Adenocarcinoma)を疑われた。腫瘍は灰白色で比較的硬く、易出血性であった。
- 321-11顔面皮膚病変73歳 男性渡辺次郎/八女公立病院
約1年前より発生。最初は褐色丘疹であった。自分で掻きむしっていたところ出血し、近くの皮膚科受診。「扁平上皮癌の疑い」で当院紹介さる。皮膚科で局麻下に切除。お送りした標本はその全体。
- 321-12右踵部皮下腫瘍37歳 男性盛口 清香/宮大 構造機能病態・附属病院病理
10-15年前に右踵部の結節に気付いていた。1-2年前より増大傾向を認め、疼痛を伴うようになったため、近医にて一部を切除されたが、再度増大した。前医で生検が施行され、悪性腫瘍が疑われたため、当院皮膚科で根治切除術が施行された。