第325回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 大分大学医学部 診断病理学講座 横山 繁生
- 大分大学医学部 分子病理学講座 守山 正胤
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
PowerPoint (Windows)のみの受付です。Windows7対応、PowerPoint2010対応。Macで作成された場合はWindowsでの動作確認を各自お願いします。発表データーはCDまたはUSBメモリーにて郵送願います。
プレゼンテーション受付締切:平成24年1月25日(水)17時00分
診断投票宛先
投票をFAX及び電子メールで受付ています。但し、当日の受付は致しません。
大分大学医学部診断病理学講座
担当:駄阿 勉
Fax:097-586-5686
E-mail:daatom@oita-u.ac.jp
投票受付締切:平成24年1月26日(木)17時00分
お知らせ
お知らせ
次回、第326回スライドコンファレンス[平成24年3月17日(土)世話人:福岡大学]の演題締め切りは平成24年1月27日(金)です。締め切りの延長は致しません。多数のご応募をお待ちしております。標本は通常通り51枚です。参加費は500円です。
懇親会
今回、懇親会の予定はございません。
地図
地図1
大分大学医学部マップ
大分自動車道利用により病院まで(10分)
大分インターチェンジを出て最初の信号(大分インター入口)を左折し、次の信号を左折してください。
坂を2Kmほど下り、踏切を越えて最初の信号(賀来神社先)を右折してください。
道なりに2Km程度進むと、右側に大学(病院)がありますので、入口(信号)を右折して構内にお入り下さい。
構内に入り,右側が医学部の駐車場です。ゲートでチケットをとって入構して下さい。
大分駅から病院まで
バス利用(30分)
「本社前2番(トキハ本店前)のりば」または「大分駅前3番(駅前商店街)のりば」をご利用ください。
タクシー利用 (20分)
地図2
大分大学医学部キャンパス内案内図
- 325-01左上顎腫瘍3ヶ月 男性西田 陽登/大分大学 診断病理学講座
生後3ヶ月時,母親が増大傾向のある左側前歯部の腫瘤に気付いた。当院を紹介受診し,左上顎歯性嚢胞の疑いのもとに摘出術が施行された。配布標本は腫瘍の最大割面です。
- 325-02耳下腺腫瘍74 男性松下能文/千鳥橋病院
6年前に左耳下腺部の腫脹を指摘されていたが自覚症状無く、放置。8ヶ月前より洞部位が徐々に増大し、2ヶ月前に当院耳鼻科受診。初診時顔面神経麻痺無く、約 5 cm の腫瘍を認めた。CT上石灰化を認め、FNAでは多形腺腫疑いであった。手術時点では腫瘍は更に増大し、一部耳介を巻き込んでいた。切除出された検体はおおよそ 7x5x5 cmで、割面は大部分が黄白色〜褐色調で、弾性硬・軟が混在していた。(提出した病変は二つとも診断の都合上、腫瘍の辺縁から切り出してあります。)
- 325-03前縦隔腫瘍68 女性安元真希子/久留米大学医学部病理学講座
健診目的で行われた胸部X線写真で縦隔に異常陰影を指摘。胸部CT,MRIで前縦隔に80×45mm大のpericardial fat内に40mm大の充実性の腫瘤を指摘され、摘出手術が施行された。割面では、黄色調の脂肪様組織に取り囲まれるように、白色充実性の腫瘤性病変を認めた。配布標本は中心の白色結節部分と周囲の黄色調組織を含む部分から作成した。
- 325-04胃 0-IIc 型病変65 男性栗原秀一/福岡赤十字病院
下血の精査の際に行われた上部消化管内視鏡で胃体下部大弯に大きさ 15mm の褪色調陥凹性病変(0-IIc 型)が認められた。
生検にて悪性が疑われ、ESDが行われた。 - 325-05胃59 男性二村聡/福岡大学医学部病理学講座
検診で胃体中部後壁に粘膜下腫瘤様病変を指摘された。病変部を被覆する粘膜は窪み、肉眼型は0-IIa+IIcと判定された。窪んだ粘膜部分を計二回生検したがいずれもGroup 1であった。しかし、画像的には粘膜下層を主座として増殖する胃癌を完全に否定できないことから、確定診断目的で内視鏡的粘膜下層剥離術を施行。お送りしたプレパラートは病変部の全割面切片のHE染色標本です。
- 325-06Sigmoid colon tumor78 女性半田瑞樹/九州大学形態機能病理
The patient had suffered from alternating constipation and diarrhea since 6 months ago. She visited hospital because of melena. The colonoscopy revealed a near-circumferential, Borrmann type 2-like tumor in the sigmoid colon. The resected tumor was 8.5x4.5cm in size, and its cut surface was solid and whitish-gray in color, accompanied by focal necrosis.
- 325-07腸間膜腫瘤35歳 女性赤木真由美/宮大 腫瘍・再生病態 附属病院病理
約1ヶ月半前,検診の腹部US検査で肝臓付近の腫瘤を指摘され、精査加療目的で入院した。画像検査では肝内に明らかな腫瘤はみとめず、腹腔内に10-20mm程度の結節を多数みとめた。血管造影CTにおいて、腹腔内によく造影される腫瘤を多数みとめた。臨床診断は、悪性リンパ腫、GIST、神経原性腫瘍、結核、寄生虫感染、Castleman’s disease疑いであった。ただし、血中IL-6値は1.0 pg/mlであった。確定診断目的に腹腔鏡下にて生検された。配布標本は切除された腸間膜腫瘤である。
- 325-08肝腫瘤40代 女性梅田幸希/済生会八幡総合病院臨床研修センター
腹痛のため近医を受診し、虫垂炎が疑われて当院外科紹介入院となった。外来時の画像で虫垂腫大と周囲脂肪織混濁などの虫垂炎の像に加え、偶然肝外側区域に腫瘤が検出された。飲酒歴はなく、タンパク同化ステロイド或いはピルなどの服用歴もなく、検査結果ではHBsAg、抗−HCVともに陰性である。
- 325-09腎腫瘍67 男性松山篤二/産業医大1病理
前立腺肥大症にて通院中であったが、尿蛋白を指摘されて精査したところ、腹部超音波ならびにCTにて両腎に多発する腫瘤が認められた。より大きい腫瘍を含む右腎の摘出が行われた。同時に行われた前立腺生検では、Gleason score 3+3=6の高分化腺癌が見つかった。既往歴として、15年前に脳梗塞を発症し、右片麻痺がある。家族歴には特記事項はない。配布標本は最も大きい腫瘍を含む部分(標本1)と、それとは離れた部分(標本2)から作製した。
- 325-10右腎嚢胞性腫瘍55歳 女性末吉和宣/鹿児島市立病院臨床病理科
検診で右腎に径50mm嚢胞指摘され、内部に隆起性病変を認めたため、当院泌尿器科を紹介受診した。CT、MRI検査を施行し、右腎下極に壁肥厚と隔壁形成を認める嚢胞性病変を認め、嚢胞性腎癌も疑われたため、右腎部分切除術が施行された。
- 325-11右精索腫瘍70 男性岡野慎士-山元英崇/九州大学病理病態-形態機能病理
The patient had noticed swelling of his inguinal region eight months ago before operation. The mass lesion had been gradually increased in size and finally measured about 3 cm in diameter. The MRI revealed a well-demarcated mass closed to the spermatic cord in the inguinal canal, and the mass lesion is iso-intensity on T1WI, slightly heterogeneous high intensity on T2WI, and high intensity on DWI, suggesting vascular rich tumor. The cut surface of the resected tumor showed a pale-tan, relatively well-demarcated nodule surrounded by white and yellowish fibrolipomatous tissue.
- 325-12陰嚢腫瘤76歳 男性太田敦子/福岡大学筑紫病院病理部
約30年前より陰嚢に小結節を認めていた。1年半前より徐々に増大し小指頭大になったため切除希望にて来院された。肉眼的に腫瘤は紅色調で表面乳頭状を呈していた。切除された腫瘤は大きさ13×11mm、弾性軟で、割面は黄白色調充実性であった。配布した標本は腫瘍のほぼ最大割面である。
- 325-13左乳腺腫瘤75 女性中本充洋/産業医科大学 第一病理学
左乳腺腫瘤を自覚し近医を受診した。腫瘤はA領域に存在し、弾性硬、可動性は良好で、エコーで10mm大のモザイクパターンを伴う低エコーの腫瘤として描出された。悪性が疑われ、針生検が施行されたが、充分な検体を得られず、切除生検が施行された。配布した標本は切除生検が行われた検体です。
- 325-14乳腺腫瘍61 女性米増博俊/大分赤十字病院
5ヶ月前より内痔核及びシェーグレン症候群疑いにてfollow中、右乳房腫瘤を自覚し、外科紹介受診。 画像診断にて境界明瞭な2.2cm大の腫瘤が認められた。穿刺細胞診にて悪性が疑われるも確定診断に至らず、診断・治療目的で腫瘤全切除術施行。 腫瘤は境界明瞭な白色調腫瘍であり、一部に小出血巣を認めた。 配布標本は腫瘍最大割面の大部分を含むものである。
- 325-15子宮靭帯腫瘍49 女性本田由美/熊本大学医学部附属病院病理部
2G2P。4年前に検診で子宮筋腫と子宮左側の腫瘤を指摘された。子宮左側の腫瘤はチョコレート嚢胞として経過観察されていたが、壁の肥厚と増大がみられ、チョコレート嚢胞から発生した卵巣癌を疑われて本院に紹介となった。本院で画像所見を再検討した結果、子宮左側の腫瘤は卵巣との関連はなく、変性した子宮筋腫の術前診断にて手術となった。術中所見では腫瘤は漿膜下筋腫様であったが、摘出された病変部の割面では腫瘤は子宮体部筋層外にあり、子宮靭帯に生じた腫瘍と考えられた。
- 325-16胎盤腫瘍31 女性坂田比呂志/熊本大学医学部附属病院 臨床研修医
3回経妊2回経産。妊娠33週0日に前医にて妊娠糖尿病の診断でインスリン療法開始され、34週6日に巨大児、羊水過多に伴う切迫早産兆候が認められ当院へ救急搬送となった。37週3日に女児(体重3960g、Apgar score 6/9)を自然分娩した。児に染色体異常は認められなかった。胎盤重量は950g(24×16×2.7cm)で胎盤の胎児側に4×3cmほどの腫瘤性病変を認めた。標本は胎盤の腫瘤性病変の一部である。
- 325-17胎盤病変33歳 女性島尾義也/県立宮崎病院
4経妊未経産で二度の子宮内胎児死亡と二度の初期流産の既往がある。今回、妊娠初期から胎児の高度な発育遅延と羊水過少を認め、妊娠21週に改善の見込みがないということで中期中絶が施行された。胎盤の重さは76g、胎児の重さは100gであった。配布した標本は胎盤の一部である。
- 325-18左大腿腫瘍44 男性福田あゆみ/熊本大学医学部附属病院 臨床研修医
10年前より左大腿後面の腫瘤を自覚し、徐々に増大傾向であった。2年前より下腿への放散痛を認め、近医を受診した。造影MRIにて大腿二頭筋と半膜様筋の間に5.6×5×6.6cmの境界明瞭で、内部に嚢胞成分と充実成分を伴う腫瘍を指摘され、当院にて摘出術を施行された。腫瘍は被膜を有し境界明瞭で、内部に液体貯留を認めた。標本は腫瘍の一部である。
- 325-19左側頭葉病変53歳 男性鮫島直樹/宮崎大学構造機能病態学
約2年前、全身性強直性痙攣のてんかん発症。その後、突然の意識消失や無動、自動症などの神経症状が、多い日に2〜3回出現するようになった。10ケ月前、頭部MRIにて海馬病変を指摘され、low grade gliomaの可能性も否定できないため、切除術が施行された。切除標本には明らかな肉眼的異常を指摘できなかった。
- 325-20小脳腫瘍78歳 男性神尾多喜浩/済生会熊本
2ヵ月ほど前から頭痛,嘔気が出現し,前医を受診した.右小脳に?胞を伴った腫瘍が指摘され,当院へ紹介された.MRIでは均一に造影される腫瘍で,内部に?胞成分を認めた.術中所見は,易出血性で非常にやわらかい腫瘍で,横静脈洞からS状静脈洞付近で一部癒着していたが,他の部位は比較的境界明瞭で癒着はなかった.配布した標本は,腫瘍の一部である.
- 325-21右腋窩腫瘍89 男性渡辺次郎/公立八女総合病院
約2年前より右腋窩の腫瘤に気づくも放置。徐々に増大し来院。4x3cm大の結節で、割面灰白色充実性。周囲のリンパ節も含めて摘出される。
PETによる全身検索で他に原発巣となる病変見つからず。対側腋窩に副乳認めず。お送りした標本は、その代表的な一切片である。
- 325-22皮膚腫瘍78歳 女性山田 梢/福岡大学病理
3年前より頭頂部から左側頭部にかけて隆起性皮疹が出現した。徐々に増大し1年後に皮膚科を受診した際には、10cm大の淡紅色で一部にびらん、痂皮を伴う扁平隆起性病変を認めた。局所放射線療法を施行し、頭頂部の病変は縮小した。治療開始から1年8カ月後、両手掌に多発する最大径約10mm大の褐色調の硬い扁平隆起性病変が出現した。
白血化は認めず、HTLV-1は陰性。配布標本は右手掌病変部の生検標本です。
- 325-23皮膚腫瘍性病変81 男性甲斐 敬太/佐賀大学病因病態科学 診断病理学分野
左大腿後面の皮膚潰瘍を自覚し、近医皮膚科を受診。その1年後に潰瘍が憎悪したため、近医を再受診し、当院皮膚科を紹介された。左下腿後面、右臀部中央に潰瘍を伴い堤防上に隆起する腫瘤を認め、生検による病理診断の後、切除術が施行された。配布標本は切除標本の一部です。