第370回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 長崎大学原爆後障害医療研究所 腫瘍・診断病理学 中島 正洋 教授
- 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学 下川 功 教授
- 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学/病理診断科 福岡 順也 教授
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
発表スライドはPowerPoint (Windows)にてファイル形式でご準備下さい。発表スライドは演題番号、演者、作成したOSとPowerPointのバージョンを明記の上、CD-RまたはUSBメモリーを郵送下さい。または、メール等によるデータ受付が可能です。CD-RまたはUSBメモリーは当日,会場受付で返却いたします。
なお、締切を厳守の上、締め切り後のスライド修正は極力ご遠慮いただきますようお願いいたします。
郵送先:〒852-8523 長崎市坂本1丁目12-4
長崎大学原爆後障害医療研究所 腫瘍・診断病理学
担当;黒濱 大和
E-mail: hiro8361@gmail.com
プレゼンテーション受付締切:2019年7月25日(木)17時00分
診断投票宛先
診断投票は電子メールで受付けます。但し、当日の受付は致しません。
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学
担当:林 洋子
E-mail: hayashih@nagasaki-u.ac.jp
受付締切:2019年7月25日(木)17時00分
当日は顕微鏡を1台準備いたします。
お知らせ
お知らせ
■アクセス
1 飛行機をご利用になる方
長崎空港(大村市)より浦上経由または住吉経由長崎方面行きバスに乗車(約55分・1000円)、「松山町(まつやままち)」または「浜口町(はまぐちまち)」下車後、徒歩約10分
2 JRをご利用になる方
長崎本線「浦上駅」下車後、「赤迫(あかさこ)」行きに乗車(料金一律130円)、「原爆資料館(げんばくしりょうかん)」下車後,徒歩約10分
3 バスをご利用になる方
長崎バス8番系統(医学部経由)「下大橋(しもおおはし)」または「三川町(みかわまち)」行きに乗車、「医学部前」下車
5 車でお越しの方
長崎自動車道 出島バイパス経由「長崎IC」から約15分
長崎自動車道長崎多良見ICから長崎バイパス経由「昭和町IC」から約10分
大学構内の駐車場(無料)をご利用頂いて結構ですが、本会参加者の優先駐車場はありません。駐車の際には白線内に駐車くださいますようお願いいたします(黄色線は軽自動車用です)。
当日、ながさきみなとまつり、長崎ペーロン選手権大会が開催されます。交通混雑、宿泊確保困難が予想されますので、お早めに交通・宿泊の確保・ご移動をお勧めします。
■学術講演
日本病理学会希少がん事業講習会
演題:小児腫瘍
講師:九州大学大学院医学研究院形態機能病理学 孝橋 賢一 准教授
今年度も昨年度に引き続き、「希少がん診断のための病理医育成事業」に国庫補助金による財政支援が決まりました。
本講習会もその国庫補助金により賄われております。今年度も昨年同様、講習会に関しては支部開催7回、本部開催4回を計画しております。また同時に病理学会希少がんHPにて希少がんのe-ラーニングを開講しております(320問:希少がんHPのURL:https://rarecancer.pathology.or.jp/)。
いずれにも病理専門医更新のための領域講習の単位が付与されます(講習会:支部開催=1単位、本部開催=4単位、e-ラーニング:1講座(10問)=1単位。なおe-ラーニングに関しては最大15単位まで認められ、自動的に会員システムの「単位欄」に反映されます)。
希少がんの病理診断に関しては、「精度の高い病理診断が、患者の予後を左右する」ということで、患者の方々からも「病理診断精度向上」が非常に期待されております。
講習会、e-ラーニングとも、奮ってご参加あるいはご受講されますようにご案内申し上げます。
■当日は、第92回九州病理集談会が合わせて開催されます。
■懇親会について
場所:寶來軒(スラカン会場から徒歩約5分)
住所:長崎市平野町5-23
URL:http://www.horaiken-bekkan.jp
時間:18:00〜20:00
会費:6,000円
申込み締切:2019年7月19日(金)17:00
担当:荒木夕子
E-mail: yukomeme@nagasaki-u.ac.jp
■託児について
今回もスライドコンファレンスの時間に合わせて託児所を準備します。
詳細は以下のとおりです。
委託会社: フルフル保育サポート(長崎市昭和1丁目6-23)
メールアドレス:ful2kagayaku@docomo.ne.jp
担当:島本
対象:生後6ヶ月〜12歳の乳幼児、児童
日時:7月27日(土)12:00〜17:30の間を委託
場所(託児所):良順会館1階専斎ホール
利用料:無料
申込方法:7月19日(金)17:00までにフルフル保育サポートへ直接メールでお申し込みください。(件名に『スラコンでの託児申し込み』と記載して下さい)
長崎大学病理側担当:荒木 夕子
Tel:095-819-7124(長崎大学原研病理)
■次回スラコンのお知らせ
第371回 2019年9月14日(土)臨床との合同カンファレンス:「肝疾患の病理」
久留米大学医学部病理学講座:
大島 孝一 教授/矢野 博久 教授/秋葉 純 教授
臨床コメンテーター:福岡大学医学部放射線科 吉満 研吾 教授
病理コメンテーター:久留米大学病院病理診断科・病理部 秋葉 純 教授
*合同カンファレンスの際の標本送付枚数は53枚となっております。
- 370-01肺腫瘍80歳 男性渡辺次郎/福山医療センターー産大2病理
アスベスト暴露の既往のある膀胱癌治療中の男性。右中肺野に5cm大の腫瘤陰影が見つかり、経気管支肺生検行うも腫瘍は採取されなかった。しかし画像上、原発性肺癌が強く疑われたため、術中迅速組織診で悪性の確認を得て、中下葉、上葉部分切除、リンパ節郭清が行われた。腫瘍割面は白色充実性であった。お送りしたのは、肺静脈に接した切片です。
- 370-02肺腫瘤 バーチャル59歳 男性伊藤浩史/山口大学分子病理学
職業は潜水士。健診にて右S9領域に18x15?の結節性腫瘤を指摘された。症状はなく、特記すべき既往歴、家族歴もなし。検査した腫瘍マーカーもすべて陰性だったが、悪性腫瘍を完全に否定できず、VATS切除術が施行された。標本は最大割面です(病変の原因となるものが施設分の標本数作製できず、やむを得ずバーチャルスライドでの出題となりました)。
- 370-03胃腫瘍と胃病変40代 男性神尾多喜浩-大西鉱二/済生会熊本-熊本大学細胞病理学
他院で盲腸癌の手術歴がある.経過観察中,胃前庭部に大きな過形成性ポリープを認めた.背景の胃粘膜に過形成様変化がみられ,大腸にも多数のポリープを認めたが,少なくとも悪性所見はなかった.3年前から下痢が出現し,最近下痢が増悪し,脱水によるふらつきや経口摂取困難もみられ,緊急入院となった.入院時,低アルブミン血症が高度であった.蛋白漏出性胃腸症と診断され,胃全摘術となった.15.5×8.5cmの大型ポリープがみられ,その周囲にはポリポーシスというよりも巨大皺襞の外観を示していた.巨大皺襞間の一部には正常粘膜が介在粘していた.配布標本は,大型ポリープ(標本1)および巨大皺襞(標本2)の一部である.
- 370-04盲腸腫瘍72歳 男性原岡誠司/福岡大学筑紫病院 病理部
右側腹部痛を主訴に近医を受診した。経口摂取及び排便に問題は無く、血液生化学検査では腫瘍マーカーも含めて異常値は認めなかった。下部消化管内視鏡検査を施行し、盲腸に約1/2周性の3型腫瘍性病変を認め、生検では中分化腺癌と診断された。当院紹介入院され、腹腔鏡下右半結腸切除術が施行された。腫瘍は大きさ約3cm大の3型進行癌であり、配布標本はその中心部から作製した。
- 370-05上行結腸腫瘍、リンパ節病変40歳 女性三浦史郎/長崎医療センター
10年程前、高熱、関節痛、発疹でStill病(3カ月入院後、しばらくプレドニン内服)の診断。その後は病院受診なく、服薬もなかった。1週間前から排便時に新鮮血〜暗赤色の血液が付着あり。精査にて上行結腸に60x40mm大の粘膜下腫瘍を認め、腹腔鏡下右半結腸切除術+リンパ節郭清術(D3)施行された。割面では白色充実性腫瘍で,部分的に壊死形成が見られ,硬い腫瘍。主腫瘍部以外にも上行結腸の漿膜側に小結節の多発を認めた。標本1は主腫瘍部の最大割面の一部、標本2は背景の上行結腸部、標本3(バーチャルスライド)は廓清された221番リンパ節です。
- 370-06Gallbladder tumor82 男性崎濱 久紀子/九州大学形態機能病理
A 82-year-old man presented with abdominal pain, and was pointed out thickened gallbladder wall by CT scan, suggesting gallbladder cancer. In the blood examination, CEA was 7.7 and CA 19-9 was 122.4. During the careful examination, he developed acute pancreatitis due to gallstones. After endoscopic lithotripsy, cholecystectomy and lymph nodes dissection were performed. This specimen was prepared from near the center of the lesion.
- 370-07Tumor of thyroid gland61 女性本郷貴大/九州大学形態機能病理学
A 61-year-old woman noticed swelling at anterior neck. CT revealed a 5.5cm sized tumor at her left lobe of the thyroid gland. Fine needle aspiration cytology was performed, but the sample was inadequate for diagnosis. She received subtotal thyroidectomy. Cut-surface of the firm tumor was whitish gray.
- 370-08乳腺腫瘍70代 女性林 洋子/長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学−佐世保共済病院
半年ほど前より左乳房のしこりに気づいた。1ヶ月前より痛みを感じるようになり、当院を受診した。超音波検査にて左乳房B領域に径1.9 cm大の腫瘤を認めた。左乳房切除術が行われた。
- 370-09右腎腫瘍50代 女性大栗伸行/宮崎大学 構造機能病態学
結節性硬化症疑い(多発血管線維腫・多発両腎嚢胞・肝血管腫疑い・副腎過誤腫疑い、家族歴あり)の患者で、糖尿病(約30年)で半年前から末期腎不全で透析開始となった。4ヵ月前の造影CTで両腎の腫瘤を認め、腎細胞癌が疑われ、右腎全摘術が行われた。右腎下極の腫瘍は24mm大、割面は褐色〜灰白色調で一部境界不明瞭。背景腎には腎被膜下を中心に多発する嚢胞および嚢胞を伴う白色調病変(最大6mm程度)を認めた。今回お配りした標本?は右腎下極の腫瘍の代表割面です。また、他の切片では腫瘍と嚢胞を伴う白色調病変との衝突部位を認め、同部位を含む標本?をバーチャルスライドに提示しています。
- 370-10右腎腫瘍72歳 男性赤木真由美/宮大腫瘍・再生病態
飲食店で転倒、腹部を打撲し、近医を受診。エコーで偶発的に右腎腫瘤を指摘された。腹部CTでは右腎中部外側に約20mm大の腫瘤をみとめ、内部は不均一〜高吸収を呈した。ダイナミック造影CTでは造影早期より不均一に増強され、後期相では周囲実質より低吸収を呈した。腎細胞癌疑いで、当院泌尿器科を受診。右腎部分切除術を施行された。 配布標本は腫瘍の代表的な割面である。
- 370-11左腎腫瘍56 男性河野真司/原三信
2か月前に肉眼的血尿に気付き、近医のCTで左腎下極にφ5cmのRCCと思われる腫瘍を指摘され、左腎切除術がなされた。尚両側頬部に小さな皮膚病変があり、父親がBirt-Hogg-Dube症候群の診断を受けている。標本は腫瘍の代表切片です。
- 370-12膀胱腫瘍 バーチャル73歳 男性林博之/福岡大学医学部病理学講座
外傷を契機とした神経因性膀胱に対し留置カテーテルで排尿管理していたところ、5ヶ月前のCT検査で膀胱壁の肥厚が指摘された。1ヶ月前に血尿で受診され、CT検査で膀胱外へ突出する約12cm大の腫瘤性病変、骨盤内リンパ節腫大がみられた。確定診断に経尿道的膀胱腫瘍切除術が行われた。
- 370-13子宮体部腫瘍70歳代 女性濱田一正/鹿児島大学病理学分野
9か月前に黄色帯下を主訴に前医を受診し、子宮留膿腫と診断された。5か月前には内膜肥厚、多量の帯下流出および陣痛様疼痛が出現し、当院を紹介受診された。キュレット検体ではびらん性炎症を伴う異型に乏しい扁平上皮と頸管腺上皮を認め、子宮留膿腫の診断で経過観察となっていた。2か月前にも腹痛が出現し、内腔が4cm程度に拡大したため、子宮留膿腫の悪化と判断され、子宮摘出術が施行された。摘出検体では、肉眼的に子宮内腔を充満する不整隆起性病変を認めた。配布標本は病変の代表切片です。
- 370-14卵巣腫瘍70代 女性井樋有紗-相島慎一/佐賀大学医学部附属病院 病理診断科
不正性器出血を主訴に前医を受診し、両側卵巣腫瘍のため当院産婦人科へ紹介となった。血液検査では、E2 170 pg/mLと上昇し、腺系腫瘍マーカーはそれぞれCEA 1.1 ng/mL、CA19-9 6 U/mL、CA125 32 U/mLで上昇は認めなかった。画像上、子宮内膜は8 mmに肥厚し、左卵巣は8 cm大で莢膜細胞腫や顆粒膜細胞腫等の性索間質系腫瘍が、右卵巣は3 cm大で成熟嚢胞性奇形腫が疑われ、切除された。左卵巣は表面平滑な黄白色調腫瘤で、割面では充実部分とともに小型〜中型の嚢胞性変化を認め、明らかな出血・壊死は見られなかった。右卵巣は成熟嚢胞性奇形腫の所見であった。標本は左卵巣腫瘍の最大割面の一部です。
- 370-15胎盤病変24歳 女性中園裕一/別府医療センター
G3P2の妊婦。妊娠10週の健診では特に異常なかったが、妊娠14週の診察では胎児心拍を認めず、子宮内胎児死亡と診断した。超音波検査では胎盤が週数に比して大きく、子宮口を覆う様に位置しており、また多数の嚢胞形成が見られた。妊娠15週、帝王切開により胎盤と児が娩出された。胎盤は肉眼的におよそ10×8 cm、140 g(妊娠14週の胎盤重量の平均値は83.3 g)で、長径3〜10 mmまでの水腫様に腫大した絨毛が全体に見られた。児は体重20 gで、外表所見は異常なかった。胎盤の代表的切片を提出します。
- 370-16皮膚腫瘍 バーチャル63歳 男性小山 雄三/大分大学医学部 診断病理学講座
3つ(左下腿,上背部,左側腹部)の皮膚病変を主訴に来院した。
そのうち,左下腿の結節はdermatofibroma,2年前からある上背部の病変はepidermal cystであった。今回提示したのは,左側腹部の10mm大の軽度隆起性腫瘍である。既往歴,家族歴に特記事項はない。 - 370-17側頭部皮下腫瘍17 女性新野大介/佐世保市総合医療センター病理診断科
1年程前から左耳介後面に腫瘤が出現し、当院を受診した。境界明瞭な充実性皮下腫瘍で、当院形成外科にて腫瘍が摘出された。配布標本は6x6?大の皮下腫瘍の最大割面から作成された標本である。
- 370-18右膝窩動脈病変64歳 女性中村俊央(研修医)/宮崎大学医学部病理学講座 構造機能病態学分野
半年前頃から間欠的跛行が出現し近医受診。超音波検査及びMRAにて右浅大腿動脈が遠位側で描出されず、右浅大腿動脈閉塞もしくは高度狭窄との診断で紹介受診となった。CTでは右浅大腿動脈〜右膝窩動脈にかけて6.7x1.5x1.4cmの嚢胞性腫瘤を認め、同部では血管内腔の狭小化がみられた。右膝窩動脈切除+大伏在静脈を用いた血行再建術が行われた。配布標本は摘出された病変の代表切片です。