第395回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 熊本大学大学院 生命科学研究部 細胞病理学分野 菰原 義弘 教授
- 熊本大学病院 病理診断科 三上 芳喜 教授
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
・発表スライドは、PowerPoint (Windows)でご準備ください。
・発表スライドには演題番号、演者、作成したOSとPowerPointのバージョンを明記の上、USBメモリーやCD-R等に入れて郵送いただくか、データ便等のファイル送信サービス等を使ってお送りください。郵送された使用メディアは当日、会場受付で返却いたします。
<送付先>
〒860-8556
熊本市中央区本荘1-1-1 熊本大学細胞病理学
TEL:096-373-5095
担当:村山道子
E-mail: kumapath02@gmail.com
プレゼンテーション受付締切:2023年9月7日(木)17時00分
診断投票
事務局が準備した回答フォームを用いたWeb投票
締切日 9月7日(木)朝9時
※世話人へのFAXやメールによる投票は行いませんのでご注意ください
※病理専門医の一人一票になっています
お知らせ
お知らせ
■今回は臨床との合同カンファレンスです。リンパ・網内系のみの会となっております。
テーマ:「リンパ・網内系」
臨床コメンテーター:九州大学大学院 病態修復内科学 准教授 加藤 光次 先生
病理コメンテーター:久留米大学 医学部 病理学講座 教授 大島 孝一 先生
※※今回のスラコンの標本は50枚です。※※
■当日は顕微鏡を1台準備いたします。
■交通アクセス(抄録の最後の会場周辺地図、拡大図を参照)
熊本駅から:路面電車(健軍町行き)で、「市役所前」下車(15分程度)、徒歩1分
熊本空港から:リムジンバス(熊本市内行き)で、「市役所前」下車(40-60分)、徒歩1分
駐車場のご案内:近隣の有料駐車場をご利用下さい。
(熊本県医師会の会員のみ無料券あり)
■懇親会について
会場近くでの開催を予定しています。場所に関しては参加予定の方に後日連絡します。
会費: 4,000円(大学院生あるいは専攻医プログラムの方;3,000円)
懇親会申込締切: 8月25日(金)
以下のリンクからお申し込み下さい。https://forms.gle/unXLvEB85mUSJzxR6
メールでのお申し込みも可能です。 E-mail:kumapath02@gmail.com
■託児所について
スライドコンファレンスの時間帯に合わせて託児所を準備いたします。子育て中の病理医の皆さんは是非ご利用ください。詳細は以下のとおりです。
委託会社:アートワーク
対象:生後6カ月〜12歳の乳幼児、児童
日時:9月9日(土) 13:00−18:00
場所:会場内の託児スペース
利用料:無料
【申し込み方法】
以下のリンクからお申し込み下さい。 https://forms.gle/8u1PQD63zmZNkCPq6
メールでのお申し込みも可能です。 E-mail:kumapath02@gmail.com
*申し込み締め切り:8月14日(月)18:00まで
■次回スラコンのお知らせ
第396回 2023年11月18日(土)13:00~ Web開催
沖縄協同病院 病理診断科 樋口佳代子 先生
沖縄病院 病理診断科 熱海恵理子 先生
地図
地図1
会場周辺地図
地図2
拡大図
交通アクセス
熊本駅から:路面電車(健軍町行き)で、「市役所前」下車(15分程度)、徒歩1分
熊本空港から:リムジンバス(熊本市内行き)で、「市役所前」下車(40-60分)、徒歩1分
駐車場のご案内:近隣の有料駐車場をご利用下さい。
(熊本県医師会の会員のみ無料券あり)
- 395-01口腔内腫瘤(バーチャル)40代男性井樋有紗/佐賀大学医学部附属病院 病理部・病理診断科
X年8月に右下顎歯肉腫脹および圧痛を自覚し、近医歯科を受診した。齲歯に起因する膿瘍形成を疑われ、切開ドレナージや齲歯の抜歯が行われたが、腫脹の軽減は得られず、右オトガイ部の知覚鈍麻が出現した。X年10月、精査加療目的に当院歯科口腔外科へ紹介となった。当院初診時、特記すべき既往歴・併存疾患の指摘はなかった。抜歯部の顎堤歯肉に14×16 mm程度の易出血性の腫瘤、その頬側に24×50 mm程度の弾性硬の腫瘤が認められ、臨床的に悪性腫瘍が疑われた。頬側の腫瘤および粘膜上皮、抜歯窩の肉芽として提出された生検標本を提示します。
- 395-02胸腺病変40歳代女性藤原美奈子/九州医療センター
1年半前に右手指のレイノー症状を主訴に近医を受診したところ、皮膚硬化や口渇、軽度のドライアイが認められ、シェーグレン症候群やMCTDが疑われ当院膠原病内科を受診。膠原病の精査中に行った胸部CTで前縦隔やや右寄りに径47mmの多房性腫瘤を指摘された。シェーグレン症候群と診断され、前縦隔病変の摘出術が行われた。摘出された病変は大きさ70x44x20mmで、割面では白色充実性成分の中に黄色透明ゼリー状の物質を含む大小の嚢胞様構造を認めた。お配りした標本は充実成分が比較的多いところから作製したものです。
- 395-03子宮頸部病変(バーチャル)40歳代女性久保田理子-西田 陽登/大分大学医学部 診断病理学講座
4年前に軽度異形成と診断され、その後、2回の細胞診にてNILMとなっていた。今回、性交後の出血が時々あるとのことで受診し、子宮頸管ポリープの臨床診断のもとポリープ状病変が切除された。肉眼的には径5mm程度、長さ2cm程度の病変で、配布した標本内に病変すべてが含まれています。
- 395-04脾臓多発腫瘤30代男性丸塚浩助/県立宮崎 病理診断科
数ヶ月前より倦怠感を自覚。近医にて貧血を指摘され,原因精査の上部消化管内視鏡検査・生検にて,MALTリンパ腫疑いの診断を受けた。その際,スクリーニング検査にてHIV陽性が判明し,HIV感染症に対してART療法を導入された。sIL2R軽度高値(600台)からリンパ腫の精査で行われたCTで脾臓に多発腫瘤を指摘され,脾臓のリンパ腫が疑われた。他部位に優位な腫瘤性病変・リンパ節腫大は認めず,確定診断のため腹腔鏡下脾臓摘出術が行われた。配布標本は分割切除された脾臓組織の一部です。
- 395-05頤下部リンパ節10代前半男性丸塚浩助/県立宮崎 病理診断科
生来健康。2ヶ月前より,頤下部,やや右側に,無痛性の1cm程度の腫瘤を自覚するも放置していた。徐々に増大するため近歯科医受診。精査のため当院歯科口腔外科を紹介受診した。当初,正中頸嚢胞を疑われていたが,CT上,充実性の腫瘤であり,リンパ腫等鑑別のため生検が行われた。配布標本は摘出腫瘤の最大割面です。
- 395-06リンパ節病変(バーチャル)90歳代男性山田倫/熊本大学大学院生命科学研究部細胞病理学講座
特記すべき既往歴はない。胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除+D1リンパ節郭清が施行された。胃癌はpT3N1M0, Stage IIBであった。標本(バーチャルスライド)は郭清されたリンパ節の一部です。
- 395-07右頸部リンパ節腫瘍60歳男性福島 剛/宮崎大学医学部 病理学講座 腫瘍・再生病態学分野
右頚部の腫瘤を自覚し、近医を受診した。頚動脈小体腫瘍を疑われ大学病院に紹介された。MRI にて均一な造影効果を示す 3 cm大(最大径 55 mm)の腫瘤を右後頚間隙に認められ、悪性リンパ腫が疑われた。この腫瘤以外にリンパ節腫脹はなかった。末梢血液計数に大きな異常は無く、血清中の可溶性 IL-2 レセプターは 525 U/mL [204-587] であった。全身麻酔下に生検が行われたが、副神経の温存のために、一塊としたリンパ節の摘出は断念され、1 cm 角の検体採取に留められた。配布したのはその標本である。
- 395-08右扁桃腫瘍60代男性門脇裕子/大分大学
肝内結石、脂肪肝、高血圧症、高尿酸血症があり、当院消化器内科通院中であった。3ヶ月前から咽頭の違和感があり、近医耳鼻科を受診した。右扁桃腫大を指摘されたため、当院耳鼻科を紹介受診された。臨床的に腫瘍性病変を疑われ、CT検査にて中咽頭右側壁および両側上内深頚部に多発する小結節を指摘された。扁桃から2回の生検が施行されるも確定診断に至らず、頚部リンパ節の切除生検が施行された。お配りした標本は頚部リンパ節の検体です。
- 395-09リンパ節73男性小山 雄三/大分市医師会立アルメイダ病院
胸部大動脈瘤の経過観察中、数年前から縦隔リンパ節の腫大を認めた。CTにて右鎖骨上窩、縦隔リンパ節の腫大がみられ、PET-CTで同部位にFDG集積が認められた。可溶性 IL-2 レセプターは3100 U/mLと上昇を認め、悪性リンパ腫が疑われたが、EBUS-TBNAで確定診断に至らなかった。8か月の経過で可溶性 IL-2 レセプターは12793 U/mL、LDH354 U/Lと上昇、貧血、食欲低下、活気の低下も出現した。診断確定の希望があり,当院血液内科紹介受診となった。右鎖骨上窩リンパ節が術中迅速へ提出され、malignant tumor(悪性リンパ腫を最も考える)と診断した。配布標本は術中組織の半割面から作成したリンパ節標本です。
- 395-10リンパ節病変70歳代女性武藤礼治ー藤原美奈子/熊本医療センター‐九州医療センター
2年前に咳嗽、息切れを主訴に呼吸器内科を受診され肺線維症と診断された。その後の精査でSjogren 症候群の並存が確認された。肺線維症、Sjogren症候群に関してはプレドニン導入なく経過フォローされていた。フォローアップ中、肺門部リンパ節腫大が指摘された。その後、経時的に全身のリンパ節腫大がみられるようになり診断目的に頸部リンパ節生検がなされた。今回、その頸部リンパ節生検の標本を供覧する。
- 395-11顔面皮膚病変80歳代女性下釜 達朗/製鉄記念八幡病院
乳癌の既往のある女性である。5年ほど前より、鼻下部に紅色隆起性病変が出現し、ステロイド外用や局注がなされたが、変化がなかった。1年前からは、右頬部に同様の病変が出現したため、悪性リンパ腫鑑別のため、生検された。送付した標本は、右頬部の皮膚生検である。
- 395-12皮膚腫瘍(バーチャル)60歳代男性菊島 百香/福岡大学医学部病理学教室
1か月前より腹部に2-3cm大の褐色斑が多発し、その後、胸部、背部にも同様の皮疹が出現した。そう痒や疼痛はなかったが、皮疹の広がりに伴って倦怠感が出現した。頸部・腋窩・鼠径リンパ節は触知せず。左上腕内側に可動性良好な2cm大の皮下腫瘤を認めた。菌状息肉症を疑われ、右肩の褐色斑から生検が施行された。悪性腫瘍の既往歴はない。
- 395-13皮膚病変(バーチャル)30歳代男性北薗育美/鹿児島大学病理学分野
特記すべき既往歴はない。当院初診の1ヶ月前に右陰嚢にざ瘡様の皮疹を自覚し、前医を受診した。抗菌薬治療で改善なく、皮疹は拡大した。当院初診時、右陰嚢に6x5cm大の暗褐色の色素斑を認め、皮下硬結を伴っていた。腫瘍性病変が疑われ、パンチ生検が行われた(標本1)。生検後、病変は自然消退し無治療で経過観察されていたが、生検から約半年後に、左腋窩に9mm大の紅色小結節を認め、全摘生検が行われた(標本2)。
- 395-14skin lesion(バーチャル)19歳男性佐藤ちあ紀/九州大学医学研究院 形態機能病理学
A 19-year-old male presented with a third relapse of B-cell acute lymphoblastic leukemia with extramedullary mass in the skin of head and anterior chest. CAR-T cells (tisagenlecleucel) were infused at the complete remission after salvage chemotherapy.
From day 4, erythema and blister formation appeared on the anterior chest mass and a skin biopsy was performed for diagnosis.
- 395-15脳病変(バーチャル)68歳女性岩崎健/九州大学病院 病理部
Ten months ago, the patient experienced perianal pain and numbness. MRI results revealed an indistinct T2 high signal area in the conus medullaris or the spinal cord cone. Upper cone syndrome was suspected, and a whole-body CT revealed no neoplastic lesions. Four rounds of steroid pulse therapy were administered. Reexamined MRI scan revealed numerous very small brain lesions with the right frontal lobe lesion as the most aggravated as well as very small spinal cord lesions. Furthermore, a week ago, transient ischemic attack-like symptoms emerged and brain biopsy was performed. This is an intraoperative frozen section and FFPE specimen of a right frontal lobe lesion.