第350回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 産業医科大学医学部 第一病理 久岡 正典
- 産業医科大学医学部 第二病理 中山 敏幸
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
パソコンによるプレゼンテーションのみです。発表用データPowerPoint(Windows)にてご準備下さい.演題番号、演者、作成したOSとPowerPointのバージョンを明記の上、CD-RまたはUSBメモリーにて郵送下さい.
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1−1
産業医科大学病院病理診断科
担当:島尻正平
FAX: 093-603-8618
E-mail:shohei-s@med.uoeh-u.ac.jp
プレゼンテーション受付締切:平成28年3月3日(木)17時00分
診断投票宛先
診断の投票をFAX及び電子メールで平成28年3月4日(金)17時00分まで受付けます.
なお、当日の受付は致しません.
産業医科大学病院病理診断科
担当:松山篤二
Fax:093-692-0189
E-mail:amatsu@med.uoeh-u.ac.jp
受付締め切り:受付締切:平成28年3月4日(金)17時00分
お知らせ
交通アクセスについて
最寄りの駅はJR鹿児島本線折尾駅で、同駅より徒歩約20分、北九州市営バス約10分、タクシー約5分となります.
詳しくは以下のURLをご参照下さい.
http://www.uoeh-u.ac.jp/University/aboutCollege/access.html
正門を入って左右の外来駐車場を利用可能です.利用料金 は30分以上5時間まで200円、以後1時間毎に100円追加です.
懇親会について
企画しておりません.
託児所について
会場に隣接して臨時の託児所を以下の要領で準備いたしますのでご利用ください.
・預かり場所) ラマツィーニホール第1会議室
(当日スラコン受付にてご案内します.)
・時間) 12:30〜17:30
・対象児年齢) 0歳3ヶ月〜12歳
・利用料金) 無料
・申込方法) 2月19日(金)までに以下のアドレス宛に同意書兼申込書と連絡票をメール添付またはFAXにてお申込み下さい.申込みにあたっては同書式にある利用規約をよくご確認下さい.定員(10名)になり次第申込みの受付を終了させて頂きます.
・利用規約/同意書・申込書) 利用規約を熟読のうえ、下記送信先までご送信下さい.
「利用規約及び同意書・申込書」「連絡表」(全2枚)
・申込先) (株)テノ.コーポレーション北九州支店
E-mail:kitakyushu@teno.co.jp
TEL/FAX 093-882-5063(代)/093-882-5064
地図
会場地図
会場:下図矢印
近隣の飲食店等のご案内
*敷地内には大学病院1Fに職員食堂の他、Tully’s coffee産業医科大学病院店やファミリーマートもございますのでご利用ください
- 350-01右眼瞼腫瘍 バーチャル50代 男性草場敬浩/大分大学医学部 診断病理学講座
以前より右上眼瞼耳側皮膚に小結節を自覚していた。気になるため近医眼科を受診した際、切除された。標本は腫瘍の最大割面です。
- 350-02喉頭蓋腫瘍90代 女性蔀 由貴/大分大学 診断病理学講座
介護施設入所者で,昼食中に誤嚥による一過性の呼吸停止を起こし,救命処置が行われた。この際,口からソーセージ様腫瘤が脱出し,これによる窒息と判断され,直視下(経口的)腫瘤切除術が施行された。肉眼的に,腫瘤は喉頭蓋に基部を有する表面平滑な12×3cm程のポリープ状腫瘍であった。配布標本は切除腫瘍の先端部分である。
- 350-03甲状腺62 女性佐藤方宣/九州大学形態機能病理学
The patient had noticed a sore throat and neck pain since two month ago. There was diffuse swelling of thyroid gland with oppressive pain. Besides the swelling of thyroid, a 1cm-sized mass in the left lobe of thyroid and an enlarged lymph node of the left side neck were detected by ultrasonography. As fine needle aspiration cytology suggested malignancy, thyroidectomy was performed.
- 350-04甲状腺腫瘍36歳 女性柴 瑛介/産業医科大学 第1病理学
左乳腺膿瘍の治療目的で当院を紹介受診した際に、エコーで甲状腺左葉の中央部〜下極を占める46x32x21 mm大の境界明瞭な腫瘤性病変を指摘された。造影CTで腫瘤は不均一な増強効果を呈し、内部に20 mm程度の結節様構造を伴っていた。配布標本は甲状腺左葉切除術が施行された際の代表的切片です。
- 350-05甲状腺腫瘍40代 男性畑中優衣/北九州市立医療センター病理診断科
嗄声と左頚部の違和感を主訴に前医受診し、左反回神経麻痺を伴う甲状腺癌が疑われ当院外科紹介受診となった。当院受診時、甲状腺左葉に可動制限のある3cm大の硬い腫瘤を認め、CTやMRIでは3.5cm大の充実性腫瘤で前方の組織および気管、食道への浸潤が疑われた。穿刺吸引細胞診では悪性が疑われたが組織型の推定は困難だった。甲状腺低分化癌の術前診断で甲状腺全摘術およびリンパ節郭清が行われた。
- 350-06肺病変50代 女性前川和也/宮崎大学医学部病理学講座
4年前、呼吸困難を主訴に来院。CTで両側スリガラス影を指摘され、ステロイドパルス療法で呼吸症状とスリガラス影の一過性の改善がみられた。徐々に症状が進行し、労作時呼吸困難が顕著となり入院した。心エコーで肺高血圧の重症化(PAPs 50-60 mmHg)がみられ、間質性肺炎または肺静脈閉塞症の臨床診断の下、外科的肺生検が施行された。
- 350-07胃粘膜下腫瘍50歳 女性増田正憲/佐賀大学医学部病因病態科学講座診断病理学分野
2〜3年前より胃前庭部前壁に粘膜下腫瘍が指摘されていた。検査にて増大傾向を認めたため、当院を受診。造影CTにて胃前庭部前壁に漸増性に増強される円形腫瘍が見られ、EUSではおよそ3cm大の、筋板から連続する粘膜下腫瘍が指摘された。間葉系腫瘍が疑われ、胃部分切除術が行われた。胃潰瘍にてピロリ菌除菌の既往がある程度で、目立った既往歴は認めない。配布標本は標本の最大割面の一部です。
- 350-08十二指腸乳頭部腫瘍70代 女性霧島茉莉-東美智代/鹿児島大学大学院医歯学総合研究科病理学分野
既往歴に特記事項なし。4ヶ月前に尿黄染を自覚した。前医で閉塞性黄疸に対して胆管ステントを留置し、十二指腸乳頭部生検で腺癌と診断された。当院を紹介され、画像診断で膵浸潤が疑われ、十二指腸乳頭部癌 cT3aN1M0の診断で手術を施行された。肉眼的にはVater 乳頭部から総胆管にかけ25?大の白色調病変を認めた。配布標本は病変の代表切片である。
- 350-09小腸・漿膜腫瘤30代 男性佐藤奈帆子/産業医科大学第2病理学教室
前日から続く右下腹部痛を主訴に近医受診。炎症反応亢進と、CTにて小腸に接する5cm大の軟部陰影を周囲脂肪組織の濃度上昇とともに認め、感染性腸間膜嚢胞の臨床診断で手術が施行された。腫瘤は小腸壁と細い茎で連続し、腹壁と小腸の癒着を伴っていた。この他に、小腸と連続する1-2cm大の白色小結節を8箇所認めた。提出標本は小結節のうちの1個です。
- 350-10肝腫瘍86歳 女性神尾多喜浩/済生会熊本病院
高血圧・糖尿病のため近医で経過観察中に,定期検査で肝機能障害を認めた.その後肝機能が悪化し,肝後区域をしめる肝細胞癌が疑われ,当院消化器科へ紹介された.画像的に中分化程度肝細胞癌に相当する所見であり,AFPとPIVKA-?が高値であった.切除された肝腫瘍は7.5×5.0cm大,割面では線維性隔壁で仕切られた大小の癌胞巣を認め,黄白色調を呈しており,しばしば胆汁色を伴っていた.一部では1cm大の白色調結節を認めた.配布した標本は,白色調結節を含めた腫瘍部である.
- 350-11子宮頸部・卵巣腫瘍50代 女性島尾義也/県立宮崎病院
3ヶ月前に右季肋部痛を主訴に近医を受診。急性胆嚢炎と診断され、その際に行われた婦人科疾患の精査にて子宮頸部に病変を指摘された。生検にて子宮頸部腺癌と診断され、当院産婦人科を紹介受診した。画像検査にて子宮頸部の腫瘤に加え、両側卵巣腫瘍も発見された。準広範子宮全摘出術・両側付属器切除術が行われた。子宮頸部病変(標本1)と左卵巣腫瘍(標本2)を提出する。
- 350-12リンパ節病変50代 女性三橋泰仁/福岡大学医学部 病理学講座
両下肢の有痛性紅斑と微熱、関節痛を主訴に当院皮膚科受診。結節性紅斑と診断され、ステロイド投与を開始。しかしステロイド減量すると症状の再燃を認め、膠原病内科で関節リウマチと診断。MTX使用するも症状の改善はない。画像検査で、左総〜内・外腸骨動脈周囲と左鼠径リンパ節の腫脹と同部位にFDG集積を認めた。左鼠径リンパ節生検を施行し、リンパ節炎と診断。MTX中止し経過観察するもリンパ節腫脹は持続したため、再度リンパ節生検を施行した。2回目生検前の血液検査は、WBC 16600 (Neut 90%, Eosino 0%, Lympho 5.0%, Aty-lymp 0%), LDH 187, sIL2-R 1069, HTLV-1は陰性。リンパ節のフローサイトでは、CD3: 29.7%, CD4: 76.0%, CD8: 4.2%, CD10: 1.0%, CD20: 22.4%, κ-鎖: 13.4%, λ-鎖: 11.0%, CD25: 6.6%, CD56: 0.6%であった。2回目のリンパ節生検の切片を配布する。
- 350-13全身リンパ節腫大80歳代 男性藤村省太-新野大介/長崎大学病理診断科
80歳代男性。頸部腫瘤を自覚したため近医を受診し、CTで両側頚部、鎖骨下、腋窩、鼠径共に累々としたリンパ節腫大が認められ、頚部リンパ節生検が施行された。捺印細胞診や組織診で軽度の核形不整を有する異型リンパ球の一様な増殖を認め、悪性リンパ腫が疑われた。腫瘍細胞は免疫染色にてCD20(+), CD3(-)であり、DLBCLや低悪性度B細胞リンパ腫が疑われた。配布標本は頸部リンパ節の最大割面である。
- 350-14左中脳蓋部腫瘍 標本1枚目のみバーチャル76歳 女性小林広昌/福岡大学病理学講座
斜視・複視を自覚し近医を受診した。頭部MRIで左中脳蓋部に腫瘍性病変を認め、当院紹介となった。頭部造影MRIでは左迂回槽にDWIで高信号、Gd-T1で造影効果がない腫瘍性病変、左中脳蓋部にDWIで低信号、Gd-T1で増強効果のある腫瘍性病変を認めた。腫瘍により中脳水道は圧迫され水頭症を合併していたため、開頭腫瘍摘出術を施行した。左迂回槽には光沢のある柔らかい腫瘍が見られ(1枚目)、連続して左中脳蓋部には硬い黄褐色調の腫瘍を認めた(2枚目)。標本1枚目はバーチャル、標本2枚目はスライドグラスです。
- 350-15鞍上部〜第三脳室腫瘍 バーチャル75歳 男性本田由美/熊本大学医学部附属病院 病理診断科(病理部)
66歳時に頭痛を主訴に本院脳神経外科を受診し、MRIにて下垂体部の径14mmの腫瘤を指摘され、経過観察されていた。今回、頭痛と視野障害が出現したため精査したところ、腫瘤が径30mmに増大していた。画像診断では頭蓋咽頭腫、髄膜腫、孤立性線維性腫瘍(SFT)などが鑑別に挙がるものの、いずれも典型像ではなかった。手術となり、可及的に腫瘍を切除された。