第92回九州・沖縄スライドコンファレンス抄録
- 長崎大学大学院医薬学総合研究科病理 下川 功 教授
- 長崎大学原爆後障害医療研究所腫瘍・診断病理学研究分野 中島 正洋 教授
- 長崎大学病院病理部 福岡 順也 教授
演題募集について
パソコンによるプレゼンテーションについて
発表スライドはPowerPoint (Windows)にてファイル形式でご準備下さい。発表スライドは演題番号、演者、作成したOSとPowerPointのバージョンを明記の上、CD-RまたはUSBメモリーを郵送下さい。または、メール等によるデータ受付が可能です。CD-RまたはUSBメモリーは当日,会場受付で返却いたします。
なお、締切を厳守の上、締め切り後のスライド修正は極力ご遠慮いただきますようお願いいたします。
郵送先:〒852-8523 長崎市坂本1丁目12-4
長崎大学原爆後障害医療研究所 腫瘍・診断病理学
担当;黒濱 大和
E-mail: hiro8361@gmail.com
プレゼンテーション受付締切:2019年7月25日(木)17時00分
診断投票宛先
診断投票は電子メールで受付けます。但し、当日の受付は致しません。
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学
担当:林 洋子
E-mail:hayashih@nagasaki-u.ac.jp
受付締め切り:受付締切:2019年7月25日(木)17時00分
- 92-01胃癌によるpulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)の1剖検例80歳代 女性田邉 寛/福岡大学筑紫病院病理部
死亡より約3週間前、近医での上部内視鏡検査にて進行胃癌を指摘されていた。食欲不振、全身倦怠感のため近医入院治療を行っていたが3日前より傾眠傾向となり、頭部CTにて両側慢性硬膜下血腫を指摘された。当院に転院となり緊急穿頭血腫ドレナージ術、開頭血腫除去術を受けたが、その後全身状態が徐々に悪化し死亡退院となった。尚、経過中呼吸困難の訴えはなかった。剖検時著明な皮下出血がみられ、頭部は開頭部に一致して頭蓋骨表面、硬膜外、および硬膜下にそれぞれ凝血塊が認められ、出血が遷延していたと推測された。生前指摘されていた胃癌は、前庭部を中心にスキルス状に進展し、著明なリンパ管侵襲を伴う深達度SEの進行癌であり、リンパ節や遠隔臓器への転移、そして腹膜播種を伴っていた。また肺に関しては多数の肺動脈内腫瘍塞栓と、それに伴う線維性内膜肥厚および血栓がみられ、胃癌によるpulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)と考えられた。腎臓は組織学的に糸球体内に多数のフィブリン血栓と尿細管壊死像がまだらにみられ、播種性血管内凝固(DIC)の状態であり、PTTMによって惹起されたと推察された。
- 92-02後天性免疫不全症候群の一剖検例31 男性井上 晃太-立石 悠基 /九州大学形態機能病理学
死亡7カ月前より皮疹が出現し、その後多発するようになった。死亡1か月前に病院を受診し、HIV抗原・抗体陽性、食道カンジダ症、カポジ肉腫を合併していることからAIDSの診断となった。画像検査で脳内の占拠性病変も認めた。本人の希望により外来で精査加療の方針となった。死亡12日前に交通事故を起こした。外傷はごく軽度であったが急性肝腎障害を認め、入院となった。低体温及び高度の炎症反応も認め敗血症性ショックも合併していた。昇圧剤や抗菌薬等の治療を開始するも、治療に反応せず多臓器不全で永眠した。